ルビーは7月の誕生石!その意味と特徴、おすすめのジュエリーまでご紹介
ルビーは真紅の輝きが魅力の宝石で、7月の誕生石として知られています。ルビーは古代から王や権力者に好まれる宝石であり、魔除けとして用いられたり、愛のシンボルとして使用されたりと、「力のある石」と受け止められてきました。
この記事では、ルビーの特徴や誕生石としての意味、カラーバリエーションや原産地を紹介します。ルビーの選び方やその他の誕生石も解説しているので、ぜひご一読ください。
・目次
7月の誕生石ルビーとは
ルビーは、7月の誕生石として知られています。燃えるような真紅の輝きが特徴で、多くの方に愛される人気のカラーストーンです。
ルビーの「赤」は、炎や血を象徴する色として考えられてきました。太陽が燦々と輝く7月にふさわしい誕生石です。その美しい輝きから、魔除けやスピリチュアルストーンとしても利用されてきました。
ルビーは、ラテン語の「ruber」を語源としています。ラテン語の「ruber」は、愛と情熱の色「赤」を意味する言葉です。その他、サンスクリット語では、ルビーは「ratnaraj(ラトナラジュ、宝石の王)」と呼ばれています。
ダイヤモンドに次ぐ2番目の硬度を持ち、「宝石の王」または「宝石の女王」として古くから珍重されてきました。7月の誕生石であるとともに、結婚15周年や結婚40周年の贈り物に選ばれることも多い宝石です。
ルビーに誕生石として込められた意味
宝石はその見た目や色から様々な言い伝えがあり、7月の誕生石であるルビーには「情熱」や「純愛」、「仁愛」や「威厳」などの意味が込められています。
誕生石のルーツは聖書といわれており、旧約聖書「出エジプト記」に登場するイスラエルの祭司長が胸当てにつけていた12種類の宝石とする説、新約聖書「ヨハネの黙示録」の聖都にある12の城門で使用された宝石とする説が考えられています。
燃えるような真紅が特徴で、情熱の意味が込められたルビーは、前向きに行動できるエネルギーを得たい方におすすめの宝石です。純愛や仁愛の意味もあることから、「心からの恋愛をしたい」方にも好まれています。ルビーの持つ意味に想いを込めて、大切な方へのプレゼントにも人気の誕生石です。
なお、日本の誕生石はアメリカの宝石商組合に準じて全国宝石卸商協同組合が定めており、2021年12月に63年ぶりに改定されました。現在の誕生石は次のとおりです。
月 |
誕生石 |
1月 |
ガーネット(Garnet) |
2月 |
アメシスト(Amethyst)、クリソベリル・キャッツ・アイ(Chrysoberyl Cat’s Eye) |
3月 |
アクアマリン(Aquamarine)、ブラッドストーン(Bloodstone)、 サンゴ(Coral)、アイオライト(Iolite) |
4月 |
ダイヤモンド(Diamond)、モルガナイト(Morganite) |
5月 |
エメラルド(Emerald)、ヒスイ(Jade) |
6月 |
アレキサンドライト(Alexandrite)、ムーンストーン(Moonstone)、パール(Pearl) |
7月 |
ルビー(Ruby)、スフェーン(Sphene) |
8月 |
ペリドット(Peridot)、スピネル(Spinel)、サードオニックス(Sardonyx) |
9月 |
クンツァイト(Kunzite)、サファイア(Sapphire) |
10月 |
オパール(Opal)、トルマリン(Tourmaline) |
11月 |
シトリン(Citrine)、トパーズ(Topaz) |
12月 |
ラピスラズリ(Lapis Lazuli)、タンザナイト(Tanzanite)、ターコイズ(Turquoise)、ジルコン(Zircon) |
従来、7月の誕生石はルビーのみでしたが、今回の改定でスフェーンが加えられました。また、イギリスなど諸外国ではカーネリアンを7月の誕生石としている国もあり、7月1日の誕生日石としてアクアマリンが挙げられる場合もあります。
ルビー以外のスフェーンやカーネリアン、アクアマリンの詳細は後ほどご紹介しますので、あわせてご確認ください。
ルビーの特徴
ルビーはコランダムの一種で、クロムと呼ばれる微量元素による美しい赤色が特徴です。鉱物のコランダムは不純物のない状態では無色ですが、微量元素が含まれることで多彩な色が生じます。なかでも赤に発色する石がルビーと呼ばれ、赤色以外のコランダムはサファイアに分類されます。
ルビーは生命と深く関わる「血」と同じ色であることから、古代インドではパワーやエネルギーの象徴とされていました。「怒りを鎮める宝石」「戦いで無敵の力を与える宝石」など、複数の地域や文化で様々な受け止められ方がされています。
また、中世ヨーロッパでは、健康や恋愛の成功、知恵などにつながる貴石とも受け取られていました。そのため、ヨーロッパの王室や貴族階級では、ルビーは人気の高い宝石のひとつに挙げられます。
現代でも、美しい赤のルビーは多くの方を惹きつける宝石です。情熱的な恋愛をしたい方、燃え上がるようなパワーがほしい方、魅力的な存在になりたい方に、好んで選ばれる傾向があります。
ルビーのカラーバリエーション
ルビーは含まれる微量元素の量により、濃い紫がかった赤からピンクに近い明るい赤まで、様々なカラーバリエーションがあります。色に着目すると、ルビーは次の3つの種類に分けられます。
- ピジョンブラッド
- ビーフブラッド
- チェリーピンク
ピジョンブラッド(鳩の血)は、赤色の濃さと鮮やかさが特徴のルビーです。クロムが含まれる絶妙なバランスから、赤いきらめきを放ちながら燃えるように輝く美しさを持ちます。数あるルビーのなかでも最高品質の石に位置付けられ、市場でも高値で取引されるルビーです。
ビーフブラッド(牛の血)は、鉄分による黒っぽい赤色のルビーです。ピジョンブラッドと比較すると暗く感じますが、高級感と落ち着きのある色味です。市場でもよく取引されるポピュラーなルビーです。
チェリーピンクは明るい赤色が特徴です。ピンクやパープル味を持つため、「チェリーピンク」と呼ばれます。他のルビーと比較すると可愛らしさがあります。
ルビーの原産地
ルビーは、世界の広い国・地域で産出される宝石です。一番有名なのはミャンマーのモゴック産、モンスー産で、高品質なルビーが産出することで知られています。市場に多く出回っているルビーはモザンビーク産で、タイ、ベトナム、スリランカ、インドでも産出されます。最も古い時代のルビーはグリーンランド産で、26~29.7億年前の変成岩類から採掘されています。
ルビーは、産地により特徴が異なる点も魅力です。例えばミャンマー産のルビーは、ピジョンブラッドに代表される鮮やかで美しい発色のルビーが特徴です。特にモゴック地域では、5世紀以上にわたって色鮮やかなルビーが産出されています。ベトナムでは南部のQuy Chau(クイ・チャウ)を中心に、高品質のルビーが産出されています。今一番注目されているのはモザンビークで、2009年にモンテプエズで世界最大級のルビー鉱山が発見されました。ここで採れたルビーの中には、モゴック産に匹敵するような高品質のルビーもあります。
7月の誕生石ルビーを使ったジュエリー
太陽のように輝くルビーは、ネックレスやイヤリング、ピアスやリングなど、様々なジュエリーに加工され、多くの方に愛されています。ここでは、ジュエリーごとのルビーの特徴を紹介します。
ネックレス
真紅の美しい輝きを持つルビーは、ネックレスで身に着けると胸元に華やかなアクセントを加えてくれます。「宝石の女王」にふさわしい存在感が魅力です。
ネックレスでコーディネートする時は、地金やチェーンの素材選びもポイントです。ルビーにイエローゴールドを合わせると、明るく華やかな印象を与えます。イエローゴールドは肌の色との相性も良いため、肌の露出が多くなる夏におすすめのコーディネートです。
その他、シルバーやホワイトゴールド、プラチナと合わせると、凛として上品な印象を演出できます。オフィスやフォーマルな場面でも利用しやすい組み合わせです。ピンクゴールドと合わせれば、かわいらしさの演出に役立ちます。
イヤリング・ピアス・イヤーカフ
ルビーは、イヤリングやピアス、イヤーカフなどでもよく用いられる宝石です。美しい赤色を耳元に添えれば、ぱっと明るい印象を与えることができます。
例えば、夏のシンプルなワンピースやパンツルックに合わせると、一気におしゃれな雰囲気を演出してくれます。ルビーは上品で普段使いには向いていないと思われがちですが、使い方次第でコーディネートの幅を広げてくれるジュエリーです。
リング
「宝石の女王」とまで呼ばれるルビーは、もちろんリングでも多く使用されます。バラの花びらのような赤が印象的なルビーは、身につける方の情熱的な印象を演出します。
なお、結婚40周年の記念日は「ルビー婚式」とされています。長年連れ添った大切な方への贈り物に、ルビーのリングはおすすめのジュエリーです。
7月の誕生石ルビーの選び方
ルビーは、色やインクルージョン(内包物)、輝きなどで総合的に評価されます。例えば、ルビーは色が濃くなるほど評価が高まりますが、黒くなりすぎると評価が下がります。オーバルやクッション、ラウンドなど、カットによっても印象が変わり、価値も変わってくる点に注意しましょう。
ルビーを選ぶ時は、濃すぎず鮮やかな赤で中心からキラキラと輝くもの、目で見てわかるインクルージョンのない石がおすすめです。ルビーを使用したジュエリーの場合は、好みや普段のスタイリング、コーディネートや予算と相談しながら、ご自身に合ったジュエリーを選択しましょう。
ルビー以外の7月の誕生石
7月の誕生石は、ルビー以外にもあります。どの誕生石を身につけるかに決まりはありません。それぞれの誕生石の特徴を紹介するので、誕生石ジュエリー選びの参考にしてください。
スフェーン
スフェーンは、63年ぶりの改定で7月の誕生石に加えられた宝石です。優しい黄色から深い緑色まで様々な色の石があり、透明度の高いスフェーンは色とりどりの輝きを放ちます。
このメラメラと燃えるような輝きはファイア(分散光)と呼ばれますが、スフェーンはダイヤモンドを超えるファイアを放ちます。エネルギッシュでまるで夏の太陽のようなスフェーンは、身に着けるだけで元気な気持ちになれそうですね。
カーネリアン
カーネリアンは、紅玉髄(べにぎょくずい)ともいわれるカルセドニーの一種で、7月の誕生石として身に着ける方もいらっしゃいます。赤褐色やオレンジ色が特徴の宝石で、獅子座の星座石でもあり、古くから宝飾品などに使用されてきました。
カーネリアンは生命と長寿の象徴とされ、強い力を持つ石ともいわれていました。鮮やかな色合いは、身に着けるとエネルギーを与えてくれるような気がします。温かみのある落ち着いた色味と、手に取りやすい価格帯で人気を集めています。
アクアマリン
アクアマリンは3月の誕生石ですが、7月1日の誕生日石として身に着ける方もいらっしゃいます。ベリルと呼ばれる鉱物の一種で、微量の鉄を含むため、海原のような青色を発しています。
アクアマリンは聡明、沈着、幸福、富の意味を持ち、幸せな結婚に恵まれるとして人気の宝石です。海に関する言い伝えや神話も多く、見る者に爽やかさや安らぎを与えます。
TJFESで自分だけのジュエリーに出会おう
ルビーをはじめ、ご自身のニーズに合ったジュエリーをお探しの方は「TOKYO JEWELRY FES(TJFES) 」にぜひご来場ください。
TJFESは、多彩なジュエリーや素材が出展される展示会です。ルビーなどのカラーストーン、ダイヤモンド、ゴールドやプラチナなど、200を超えるメーカーやクリエイターのジュエリーがひとつの会場で展示されます。
TJFESは、「ジュエリーFES」「クリエイターFES」「ミネラル&ストーンFES」の3つのFESで構成されています。幅広いデザイン・価格帯のジュエリーに触れられ、メーカーやクリエイターからの直接購入やオリジナルジュエリーの作成が可能です。
ジュエリーは大切な記念日や生活を彩るアイテムです。「こだわりの結婚指輪を作りたい」「人と被らないオリジナルのジュエリーがほしい」という方は、来場を検討してはいかがでしょうか。
◆展示会概要◆
TOKYO JEWELRY FES
あらゆるジュエリーや素材が一堂に集結する大規模なジュエリーの祭典!ジュエリー好きの『見たい』『買いたい』『作りたい』が叶う場所をコンセプトに、
ジュエリーFES クリエイターFES ミネラル&ストーンFES
の3つのFESで構成されています。
本展の詳細はこちら↓
公式ホームページ: https://www.jewelry-fes.jp/tokyo/ja-jp.html?co=blog
【監修者】
長村由起子
【プロフィール】
ジュエリー専門ライター・編集者
ジャパンジュエリービジネススクールを卒業後、神戸のカラーストーン卸会社に8年間勤める。
その間、店舗・催事販売、リフォーム、仕入れ、買取業務、自社ブランドの立ち上げ、社員研修講師役まで様々な業務に従事。
現在はジュエリー専門ライター・編集者として活動中。国内外のジュエリー会社のコーポレートサイトやブログを執筆・編集しています。
個人ホームページ「ジュエリーのプロが教える宝石のいろは」https://japan-jeweler.com/
【取得資格】
JBS宝石ジュエリー鑑別鑑定士( JBS Graduated Jeweler)
ジュエリーコーディネーター2級
ジュエリーリモデルカウンセラー2級
博物館学芸員