宝石珊瑚の特徴や種類を紹介!使用時のお手入れや注意点も解説

宝石珊瑚は、深海で長い時間をかけて成長し、「海の宝石」とも呼ばれる珊瑚です。古くから幸福や長寿の象徴とされ、装飾品やお守りとして着用されてきました。現在では3月の誕生石に認定され、ネックレスやピアスなどのジュエリーとして愛用されている宝石です。

この記事では、宝石珊瑚の特徴から造礁珊瑚との違い、歴史、産地までをまとめて解説します。宝石珊瑚の種類やお手入れ方法、使用時の注意点も紹介しているので、ぜひご一読ください。

・目次


宝石珊瑚とは

珊瑚(サンゴ、Coral)は、クラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物門の海洋生物です。鉱物であるダイヤモンドやルビーなどの他のジュエリーと比べると、珊瑚は「動物」の仲間である点が異なります。

珊瑚にはいくつかの種類があり、なかでも宝石珊瑚は、深海に生息する「八放サンゴ亜綱」に属する種類です。

宝石珊瑚は、水深100m以上の深海で小さなプランクトンを食べながらゆっくりと成長します。骨格はモース硬度3.5程度で、磨きをかけると美しく輝くことから、古くから装飾品や宝飾品として用いられています。

宝石珊瑚と造礁珊瑚の違い

造礁珊瑚は、「六放サンゴ亜綱」に属し、熱帯や亜熱帯の比較的浅い海に生息する珊瑚です。藻類に住む場所を提供する代わりに、藻類が光合成して得たエネルギーをもらうため、宝石珊瑚と比較すると成長が早い点が特徴です。密集してできたサンゴ礁は多くの生き物の生息場所となり、多彩な漁業資源の源となっています。

なお、宝石珊瑚は太陽の光が届かない深海でも成長できますが、造礁珊瑚は藻類が光合成できない場所では生息できません。造礁珊瑚の骨格は石灰質で脆いため、ジュエリーには不向きである点も異なります。


古くから愛されてきた宝石珊瑚

宝石珊瑚は海の恵みに育まれた宝石として、真珠(パール)と同様に古くから愛用されており、2万5千年前のドイツの遺跡から宝石珊瑚を加工した装飾品が出土しています。

宝石珊瑚は地中海沿岸地域にも生息しており、古代ギリシャやローマでは幸福の象徴とされ、女性の装身具やお守りとして利用されました。中世に入ると、その赤色の美しい輝きから、キリスト教圏ではロザリオや聖具の装飾として使用されました。

日本には奈良時代に中国から宝石珊瑚が伝わり、特に正倉院で保管されている聖武天皇の王冠の珊瑚玉が有名です。現在でも、宝石珊瑚は3月の誕生石に認定され、ネックレスやリングなど多彩なジュエリーに用いられています。


宝石珊瑚の代表的な産地

宝石珊瑚の代表的な産地は、地中海沿岸や日本近海、台湾近海などです。日本では、下記の地域で宝石珊瑚が産出されています。

  • 東京(小笠原諸島)
  • 和歌山
  • 愛媛
  • 高知
  • 長崎
  • 鹿児島
  • 沖縄

日本の珊瑚漁は高知が発祥地で、現在では東京・小笠原諸島周辺から沖縄まで、各地で宝石珊瑚漁が行われています。


宝石珊瑚の種類

宝石珊瑚には「赤珊瑚」や「桃色珊瑚」などの種類があり、それぞれ色や主に採れる産地が異なります。以下では、宝石珊瑚の種類とその特徴を解説します。

赤珊瑚

赤珊瑚は日本近海や北部南シナ海で採れる宝石珊瑚です。濃い赤色が特徴ですが、珊瑚によっては薄いピンク色のものもあり、幅広い色味を持つことが魅力です。磨くと美しい光沢を見せ、特に赤色が濃いものは血赤珊瑚と呼ばれ、高く評価されます。

桃色珊瑚

桃色珊瑚は、白に近いピンクから赤に近いピンクまで、カラーバリエーションが豊富な宝石珊瑚です。日本近海を中心に西太平洋地域で産出され、他の宝石珊瑚と比較して大きい点が特徴です。

淡いピンクの桃色珊瑚は「ボケ」または「エンジェルスキン」と呼ばれ、希少価値の高さから高値で取引されています。

地中海珊瑚(ベニサンゴ)

地中海のイタリア・サルデーニャ島を中心に、ポルトガルやセネガルなどで採れる宝石珊瑚です。濃い赤色が特徴で、色味は赤珊瑚に似ていますが、色むらが少なく、全体的に赤色が均一に広がる点が特徴です。

地中海珊瑚は比較的水深の浅い水域に生息しており、一部の許可を取っている漁師によって専門の潜水・漁法で採取されます。

白珊瑚

白珊瑚は桃色珊瑚と淡い色調が似ていますが、より白みが強い点が特徴です。日本近海を中心に、西太平洋や中部太平洋で採取されます。白色を基調に、珊瑚によって色味が異なり、なかには純白に近く象牙に似た輝きを見せる珊瑚もあります。


宝石珊瑚の石言葉や意味

宝石珊瑚は、石言葉として以下の意味が込められています。

  • 幸福
  • 長寿
  • 安産

古代ギリシャやローマで幸福のお守りとして珍重された歴史もあり、現代でも幸福の象徴として身につけられることが多い宝石です。長い年月をかけて海の恵みのなかで成長するため、長寿や安産などの意味も込められています。

また、仏教では「七宝」のひとつに数えられ、結婚35周年の記念日には「珊瑚婚式」として夫婦の歴史を祝う習慣があります。


ジュエリーとして楽しめる宝石珊瑚

宝石珊瑚は、ネックレスやピアス、リング、ペンダントなどのジュエリーとして人気です。

自然が生み出した色味と輝きが特徴で、同じ赤色の宝石であるルビーとは異なる光沢や質感が魅力です。均一でムラのない色を持つ宝石珊瑚は希少で、特に濃く深みのある赤色を持つ血赤珊瑚は、一般的に評価が高いとされています。

宝石珊瑚は、鉱物である多くの宝石と異なり、骨格を磨いて作られます。硬度が3.5で加工しやすく、ブローチやかんざしなど幅広い用途で利用できる点も特徴です。


宝石珊瑚のお手入れ

宝石珊瑚の着用後は、柔らかい布で汗や汚れを優しく拭きましょう。宝石珊瑚は多くが炭酸カルシウムでできており、変色や色あせの恐れがあるため、こまめなお手入れが大切です。洗浄液や超音波洗浄機の使用は避けましょう。

珊瑚に新品に近い光沢があり汚れが目立つ場合、重曹を少し溶かした水で洗う方法があります。重曹と水を「2:8」の割合で溶かした液を手のひらにのせ、指で優しく洗います。洗浄後は重曹が残らないようによくすすぎ、乾いた布で水分を十分に拭き取った上で自然乾燥させてください。


宝石珊瑚の注意点

宝石珊瑚は生き物から作られている特性上、いくつかの注意点があります。主な注意点は以下のとおりです。

  • 入浴時は外す
  • 直射日光の当たる場所に放置しない
  • 暖房器具の近くに置かない
  • できるだけ個別に保管する
  • 水で濡れた時は、乾いた布で拭いた後に自然乾燥させてから保管する

宝石珊瑚は鉱物と比較すると傷がつきやすく、熱に弱い性質を持っています。美しい輝きを長く保つためにも、取り扱いに注意しましょう。


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【監修者】


イヴルルド遙華(いゔるるど はるか)


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前向きなアドバイスが口コミで広がり、モデルやヘアメイク、エディターなどの業界で絶大な支持を得る、いま話題のフォーチュンアドバイザー。西洋占星術、タロットをはじめ、人生の流れを24の節目で区切る「フォーチュンサイクル」など、幅広い占いを独学で研究する。 ELLE ONLINE(ハースト婦人画報社)や VOCE(講談社)など様々なメディアに占いコンテンツを提供。櫻井・有吉THE夜会、ヒルナンデス!、ダウンタウンDX、ラヴィット!、ひるおび、などテレビ出演し、元気になれるアドバイスが大好評。

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